京都文学賞02

会社を辞めて実家を継ぎたい。 母に面と向かって言ったのは、 六本木にある、 超高層ホテルのロビーだった。 別に、 母がそこに泊まっているわけではなく、 母が毎回東京に来ると姉が案内する、 いわゆる女子ウケするような、 東京の新名所であった。 そのホ…

京都文学賞 01

京都に着いたら、まず、行く場所がある。 先斗町の先っぽにある、 古民家を改築した、 不思議な本屋さん。 その本屋さんには、 マスミさんという女性がいて、 美味しいカレーとコーヒーを出してくれる。 ホホホという不思議な暖簾がかかった その本屋さんの…

守るべきもの。

音助が住む人と消える人? 許されると消える? 賽の河原。 自分にしかできない事を見つけた人は、音助が消える。 生まれる。音助が生まれる。 生きる意味が、そこでわかる。 音助、才能、子ども。

人から与えられたものではなく、自分で設定する。 音助も音姫も、自分が何なのかわかっていないし、わからない。 心の声の行方と、その成長、今どこに暮らしているのか。

どう乗り越えるかというと、今、自分にしかできない事を見つけて、それに取り組む事。

心の葛藤を日常として描く時、何がその救いとなるかというと、それが自然なことなのだということ。

音助と音姫の物語?

闇に住む音助くん。

移行期に訪れる葛藤。 ルールの変更。 組み込まれるかどうか。 周りの目。強制力。その他。

思春期 自意識の芽生え。 規制による隙間 大学時代 開放の場所。 それによる隙間 サラリーマン 強制の場所 それによる隙間。 閉じて開いて閉じる。 このペースと 自分の心との溝。 隙間がある。 この隙間に住む子 すきま君

ファンタジーではなく、 あり得る、ある日の事を連ねる。 現実感のある夢。 記憶による補完こそ。

地蔵盆 水子 賽の河原積み 地蔵池? 地蔵の木? 地蔵沼? 水かな。湖。 お寺があって、 池があって、 地蔵の中にいた子が ある子の隙間に入っちゃう。 ある日のこと。

一目惚れの瞬間に、飛び込む。 いつ恋をするのか。

線香花火 蚊取線香 線香 お盆 中学1年 すき間が広がり 住めるようになるまでに1年 中学2年 入るまでに半年

メモ

この子に住んで、一週間、だんだんこの子のことがわかってきた。 地元の中学に通う3年生。野球部。頭は良いらしいが、どこかなよなよしている。自信がないわけではないのだけど、気が弱いところがあるのを、はしゃいでごまかしているように思える。 住み心地…

会社員の思い出 #02

#02 『歓迎会にて』 研修を終え、配属された課で、歓迎会、が開かれた。場所は、会社の近所の、お刺身が美味しい店で、課長の行きつけのお店。 初めての歓迎会、どう振る舞おうか、悩んでいた。もともと、自分が主役の飲み会とかが苦手で、誕生日会も今まで…

会社員の思い出 #01

#01 『ランチにて』 課のみんなで中華のランチに行った時、課長だけ会議があって遅れてくるってことになって、注文だけ先にしといてと。 そこの中華は、担々麺が美味しいって有名だったので、注文は、みんな担々麺、課長も担々麺だったんだけど、辛さを選べ…